一つの樹木には、50種類以上もの成分が含まれていますが、樹種により成分も量も異なり、それらの成分は特有の働きを持っています。植物がもつ主な作用に、消臭作用・除菌作用・精神安定作用があります。その中でも特に抗菌効果がある精油（ヒバ・ヒノキ・サワラ等）を多く配合し、除菌効果を高めています。たとえば、ヒバ材から抽出されるヒバの精油中には、天然物質としては極めて優れた抗菌性を有する成分「ヒノキチオール」が含まれています。ヒノキチオールの抗菌性は、最小発育阻止濃度（抗菌効果を発揮する最も少ない濃度）が大腸菌では100μg/ml、黄色ブドウ球菌100μg/mlで、1リットル中に0.1ｇ入っていれば、大腸菌や黄色ブドウ球菌は近寄ることができません。

さらに、最近では「フィトンチッド」や「アレロパシー」など、樹草木の持つ不思議なチカラが注目されています。虫や他の草花の成長を阻害し、自らを守るために出す物質です。セイタカアワダチソウが群生するのは、「フィトンチッド」を分泌し、他の草花を枯らして、自らの勢力を拡大しているからです。また、木は毛虫などに襲われると毛虫が嫌がる成分を葉に蓄えて食べられないようにし、さらに隣の木にこのことを教えています。

「アレロパシー」

このような森の樹草木が持つさまざまなチカラは医薬や化粧品、歯磨製品、入浴剤等さまざまな分野で活用されています。